#子育てするなら金沢区──地域に根ざす「金沢区ママ」代表 上野さやかさん

孤独な育休から生まれた小さな一歩
「毎日がつまらなかったんです」
上野さやかさんは、当時をそう振り返ります。
22歳、保育士3年目で長男を出産。保育を学んできたものの、いざ自分の子育てに直面すると、すべてが想像と違っていた。毎日は家とスーパーの往復。テレビからは変わり映えのしない報道番組ばかりが流れてくる。
「ママ友が欲しい」というより、「育休中の時間をもっと有効に使いたい」「孤独を分かち合える仲間が欲しい」。そんな想いから、当時使っていたmixiで発信をスタートしました。
ギャルママから学んだ力
呼びかけに応じて集まったのは、同じ境遇の20代ママたち。やがて100人を超える仲間ができ、ランチ会や誕生日会でにぎやかに過ごす日々が始まりました。

その過程で「金沢区ママ」と「日本ギャルママ協会」という2つの団体を立ち上げることに。さらにフリーペーパーを発行し続けたことで、J:COMの取材を受け、行政の目にも留まるようになりました。
「ギャルママは当時とても注目されていて、雑誌や企業コラボの話もありました。その経験でイベント企画力や営業力、交渉力が自然と身についたと思います。」
2013年からは金沢区が主催する「すこやか子育て連絡会」にメンバーとして参加。SNSで集まった仲間とプレイルームで遊んでいた頃からは考えられなかった展開だった。
コロナ禍が導いた“拠点”の誕生

2020年、コロナ禍で子どもたちは休校・休園に。外出が制限され、親子の集まりは激減しました。
「つながりを絶やしたくない」──その一心で活動を続けたが、小さなレンタルスペースでは換気や距離の問題があり、オンラインばかりになってしまいました。
そんなときに出会ったのが、2017年に閉園した「ルンビニーわらべ園」。ホールをレンタル利用できると知り、オーナーと交流を重ねるうちに「いっそ全部借りてみてはどうか」と提案されました。
「広さに圧倒されましたが、1年考えて決断しました。金沢区ママの拠点にするだけでなく、体操教室やネイルサロン、整体などが集まる“みんなの使う場”にしようと」
こうして誕生したのが現在の活動拠点「ルンビニー-つながりの庭-」。行政が運営する地区センターのようでありながら、民間ならではの柔軟さと温かさを持つ場となった。
ママの居場所を広げる「おしごと部」

活動の一つに「おしごと部」があります。地元企業から内職を受託し、ママたちが集まって作業をする取り組みです。
「手を動かしていると、不思議と重い話も自然に出てくるんです。軽やかに話せるようになる。仕事と交流が両立できる場になっています」
ママたちは遊びに来るだけでなく、働きながら仲間と話すことができます。子育てに寄り添う新しい仕組みとして、地域に根づきつつあるのです。
出会いと別れ、その繰り返しの中で
活動を続ける中で出会いもあれば別れもある。夫の転勤で3年間だけ金沢区に住む家族もいる。
「新しい地でもいい子育て仲間に出会えるといいね、と送り出しています」
その言葉からは、子育てコミュニティを越えて人生の節目を共にする上野さんの温かさがにじみ出てました。
金沢区の魅力とは
「人、つながりです」
即答でした。
損得ではなく、地域やみんなのために動ける人が多い。活動当初から掲げてきたハッシュタグ「#子育てするなら金沢区」も、今ではInstagramで1万件を超える投稿が集まっています。
「最初はなんとなくでした。でも今は心から思います」
小さな孤独から始まった活動は、地域全体を包み込む大きなつながりに育っています。

「金沢区ママとはー」は、金沢区で子育てをするママたちが中心となって立ち上げた地域コミュニティ。育児の悩みを気軽に共有できるオンライン交流から、季節のイベント、地域の子育て情報の発信まで、日常の“ちょっと困った”に寄り添う活動を続けています。行政や地元企業ともゆるやかにつながりながら、「孤立しない子育て」「地域で育て合う」をテーマに、ママたちが安心して暮らせる環境づくりをサポートしています。金沢区でこれから子育てを始める方、地域のつながりを求めている方にとって、心強い存在です。
神奈川県横浜市出身。金沢区の工務店アートテラスホームで広報を担当。漫画と温泉旅行が好き。ナンヨコDAYSでの発信を通して、大好きなナンヨコと皆様の出会いをつくっていきます!






今回、上野さんのお話を伺いながら、金沢区という街が“子育てを通じて人がつながる場所”であることを改めて実感しました。子どもが生まれてから感じる不安や迷いを、地域の人たちとの関わりが自然と軽くしてくれる──そんなエピソードの数々がとても印象的でした。
私自身も、街の環境だけでなく「人との距離感」こそが暮らしの満足度を大きく左右するのだと感じています。金沢区での子育てが気になっている方や、コミュニティを探している方にとって、上野さんの言葉が未来の暮らしをイメージするきっかけになれば嬉しいです。